平成29年11月17日（木）と18日（金）の両日に、富山国際会議場において、第30回日本総合病院精神医学会総会を開催することとなりました。富山県では初の開催であり、会長を務めますことを大変光栄に存じています。準備に取りかかるにあたり、長年、本学会の発展に尽力して来られた医療法人社団博啓会アイ・クリニック院長の吉本博昭先生に副会長をお願いしました。

 総会のメインテーマは「精神医学の知を総合病院で育て、磨き、活かす」としています。総合病院における精神科は、精神医学と身体医学の接点において、これまで多くの新しい領域を生み出し、それを実践するエキスパートを輩出してきました。思いつくままに挙げるだけでも、コンサルテーション・リエゾン精神医学、精神腫瘍学、救命救急の現場における精神科医療などがあります。新たな展開を見せつつある精神科領域の画像診断、修正型電気けいれん療法や近年のクロザピン治療など、総合病院精神科が中心になって推進され、発展している検査・治療手技も少なくありません。また、総合病院精神科の臨床は、精神医学を専攻する若い医師にとっては必ず経験すべきトレーニングの場であり、精神医学に興味を持つ初期研修医にとっても非常に貴重な学びの場となります。めまぐるしく発展する身体医学と絶えず交流し、時に生じる軋轢も乗り越えて前進する総合病院精神医学は、いわば新たな精神医学の知の「るつぼ」であり、これからも新たな知がそこで生まれ、錬磨され、活用されて行くと思われます。本総会が、そのような精神医学の知を学び、討論し、共有することを通じて、それが発展するプロセスを少しでも促進する機会となればと考え、メインテーマを上記としました。プログラムは鋭意準備中であり、確定次第、ホームページにアップして行きます。

 11月の富山では、冬が近づき、立山連峰はその厳しい姿を見せ始めますが、その分、「天然のいけす」と称される富山湾ならではの海の幸が美味しさを増してきます。学会の合間に、晩秋の北陸・富山をご堪能下さい。北陸新幹線の開通により、東京から富山まではたった2時間余りの行程です。全国から多くの方々のご参加をお待ちしています。