日本プライマリ・ケア連合学会は、本領域の関連学会が共にまとまり、我が国における総合診療や地域医療の発展に対して、従来幅広い活動を続けて参りました。本学会の学術大会については、第6回大会はつくば市で、第7回大会は浅草で開催され、このたび第8回は四国支部が一致協力し、御世話を担当させて頂きます。
大会のテーマは「総合診療が拓く未来~地域に新たな架け橋を~」であり、2017年(平成29年)5月12~14日、JR高松駅直結のサンポートホール高松を中心とした諸会場で行われます。
四国はおもてなしの島、愛ランドです。弘法大師のスピリットが綿々と伝わる四国八十八カ所で知られてきました。四国霊場は、発心の道場(徳島)、修行の道場(高知)、菩提の道場(愛媛)、涅槃の道場(香川)から構成されます。巡拝者は全霊場を廻っていくことで、すべての煩悩を乗り越え解脱の境地に導かれるとされるのです。
私事で恐縮ですが、私が内科医としてスタートしたとき、米国における臨床プログラムを知ることに。ただちに勉強してチャレンジしようと発心。ECFMG資格を得て、family practice residency programで修行させていただく機会を得ました。その後は、日本プライマリ・ケア学会~現学会を通じて、長年にわたり諸先輩方からご指導をたまわり、心より感謝申し上げたいと存じます。いつになっても満足できる域には達しませんが、自身ができることをずっと継続していくことしかないと考えている次第です。
八十八カ所巡りの仏心や実践と、プライマリ・ケア医学の哲学や発展とは、共通点が多々あるように感じられます。平成30年度から、長らく議論が続き待たれていた新しい専門医制度がスタートする予定です。19番目の基本領域として総合診療が認められ、これから全国各地のレジデンシーで、infancy からadolescenceのレベルへと発展していくことでしょう。
まさに、総合診療が新しい時代を拓くポイントとなる時期であり、さまざまなコーディネーションやリエゾンの展開が期待されます。ぜひとも第8回大会にご参加ください。そして、共に学びディスカッションを深め、ネットワークがさらに拡大する有意義な機会となるように祈っております。