一般社団法人 新潟県労働衛生医学協会
この度、第59回日本人間ドック学会学術大会の学術大会長と務めさせていただきます加藤公則と申します。この学術大会は新潟県では初めての開催となります。このような伝統ある学会の大会長を務めさせて頂くことを大変光栄に存じます。さらに、新潟県労働衛生医学協会は、1962年の創立以来、予防医学のエキスパート機関として、受診される皆さまから「安心」と「信頼」をいただけるよう、たゆまぬ努力を続けて参りました。その結果として、この様な学会を主催できる事を心より誇りに感じております。
第59回大会はテーマを「人が『人らしく』生きるために−健康長寿に寄与できる人間ドックを目指して−」としました。このテーマに至った思いについて、少しお話し申し上げます。
私は、循環器内科医として新潟大学医学部第一内科にて研鑽を積んで参りました。大学最後の数年間は重症虚血下肢に対する血管再生治療を行っておりました。その際に出会った方々は、足だけではなく、脳梗塞、心筋梗塞をも合併され、大変つらい闘病生活をおくっておられました。この様な重症患者さんを診て思った事は、もっと初期の段階、つまり健診レベルから病気を早期発見し、私が診てきたような重症患者を減らしていく医療に取り組む事でした。また、統計学的手法にも興味があり、新潟県労働衛生医学協会に就職し、健診や人間ドックに関わりながら研究を続けて参りました。
新潟県労働衛生医学協会は、僕にそれをもっと実践出来るようにバックアップを申し出てくれまして、新潟大学に寄附講座を設立してくれました。これが、現職であります新潟大学大学院生活習慣病予防検査医学講座です。本学会の特別講演をお願いしております新潟大学医学部 血液・内分泌・代謝内科講座 曽根博仁教授、健診学・人間ドック学のspecialistにご指導を仰ぎながら、日々、国民の健康について出来る事を全てやるつもりでがんばって参りたいと思っております。
つまり、この『人らしく』に込めた思いとは、人間ドック健診を通して身体の健康を維持に努める事は、必ずや健康長寿に結びつき、体の健康は心の健康にもつながり、文字通り『人らしい』人生を全うできるとの強い信念から出たものです。それは、私が出会ってきた方々があの苦しみに遭遇することなく、お孫さんと楽しく穏やかで健康な老後を迎えて欲しい。そんな、人として人らしく、心と体の健康を維持していって欲しい。それに貢献出来るような人間ドック、健診でありたいという願い込めたものです。また、その様な場を提供できる人間ドック施設を目指して、我々に何が出来るか、何をするべきかを、共に考える学会にしていきたいと思っております。
私の生まれ故郷でもある新潟市に是非足をお運びいただき、私どもと共にこの熱い思いを共有していただきたいと思っております。我々も最大のおもてなしの心をもって、皆さまをお迎えします。懇親会では、新潟の美味しいお米と海の幸、山の幸、また淡麗辛口の新潟の銘酒の数々をご堪能頂ければ幸いです。また、佐渡が世界に誇る『鼓童』に、アトラクションをお願いしております。学会では熱く議論を重ねて、その活発な討議で疲れた喉と体を、銘酒と名曲で潤していただければと思っております。
多くの皆さまのご参加をお待ちしております。