大会長挨拶
理学療法をさらに発展させ、社会の要請に格段と応えるためには、特に臨床現場における若年層の理学療法士が積極的に臨床的研究に取り組むことが極めて重要だと考えます。よって、大会企画を「臨床で学術活動をどのように推進・実践するのか」との視点で企画しました。例えば、シンポジウムで特別な計測機器が整備されていない臨床現場での実践的研究方法を検討し、国際講演においても研究の進め方を呈示します。さらに、海外との交流推進や論文の書き方といった内容も企画しました。幕張メッセの大きな展示場を活用した情報提供も企画しています。
科学的根拠に裏付けられた理学療法を最善の水準で対象者に幅広く提供するためには、保健・医療・福祉領域の現場に反映可能な理学療法研究を格段と推進することが求められます。そのためには、保健・医療・福祉制度はもとより、文化的、社会的背景などを考慮したデータの蓄積が重要であり、この責務はそれぞれの現場で日々対象者に関与している理学療法士です。この学術大会が契機となり、学術活動、臨床研究活動が促進されることを期待しています。
本学術大会では、テーマに基づいた企画(シンポジウム、講演など)として、各分科学会が4本、各部門が1本、および協会企画などを含め合計60本以上を企画しています。2018年以降、日本理学療法学術大会は、分科学会の学術集会形式に移行する方針になっていますが、2016年の日本理学療法士協会の総会において再考の必要性が提唱され、検討が進められています。いずれにせよ本総合的学術大会に是非参加いただき研究発表と理学療法に関連した多岐にわたる事項の聴講と積極的な討議と展開していただくことを衷心より願っております。
第52回日本理学療法学術大会
大会長 伊橋光二