第28回日本小児科医会総会フォーラムin 富山　会頭挨拶

第28回日本小児科医会総会フォーラムin 富山
会頭　嶋尾　智
富山県小児科医会会長

 「第28回日本小児科医会総会フォーラム in 富山」にご参加いただき　誠にありがとうございます。中部近畿ブロックの皆様からのご推薦と温かいご支援をいただき、この度富山で開催させていただくことになりました。関係者の皆様に感謝申し上げます。

 今回のテーマを「社会は子どもたちを育て、子どもたちは社会を育てる」としました。小児科医が子どもたちを守り育てるのは当然のことですし、広く社会全体がその意識を多かれ少なかれ共有していることも言うまでもありません。その共有を深めさらに円滑にするために、それぞれの分野での努力もさることながら、我々小児科医は関係するいろいろな人達の“手を結ぶという役割”を担うことに、より積極的に意識を向けるべきではないかと思っています。社会全体が守り育てた子供たちは、何年か後にはその育ててくれた社会を構成する一員となります。我々は目の前にいる子どもたちを通して、未来の健全な社会を育てているという遠大な仕事の一翼を担っています。自分たちの仕事に大きな自負と責任を持たざるを得ません。

 プログラムについては、会員から多彩な意見が提案されました。また中部近畿ブロックはもとより、特に北陸3県小児科医会・4大学小児科学教室の全面的な御支援とご協力をいただきました。特別講演として小児医療の進む方向と総合小児科医に求められること、シンポジウムとして心と体を育む環境、生活習慣病、思春期の性、特別企画としてアレルギーのトピックス、患者・家族に寄り添うこと、教育講演として漢方、頭痛、初期救急医療、そしてポスターセッションなど、それぞれの分野に造詣の深い先生方に講演をいただきます。会員の皆様の関心ある分野や北陸らしさが前面に出た内容になったと思います。

 富山は今回のポスターにありますように、水深1000ｍの富山湾から3000ｍの立山連峰までの高低差4000ｍが一望にできる稀有な景観の場所です。富山湾は、ユネスコ後援の「世界で最も美しい湾クラブ」に2014年に加盟しました。立山黒部アルペンルート、世界遺産の五箇山合掌作り集落や国宝瑞龍寺などもあります。「天然の生け簀」と呼ばれる富山湾のグルメとして、今の季節はホタルイカ、白えび、甘えび、バイ貝など、キトキト（富山弁で“生きがいい”）な海の幸もご堪能ください。学術とともにいろいろな富山をお楽しみいただければと思います。